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一般的に、出社時間は始業の30分前というのが平均と言われています。組織で働く会社の場合、始業30分前の出社は社会人のマナーだと教わることが多いので、誰もそこに疑いの目を向けることがありません。

日本のタイムワーカー(一般労働者)が、暗黙の了解でこのようなルールを守っていることは、ある意味勤勉で真面目だと考えられるのですが、一歩海外に出てみれば、日本のこの考え方は異常だという見方もあるようです。

出勤時間に厳しく、退社時間にルーズ

ある外国人の企業役員の方が、日本人の印象を尋ねられた時、非常に興味深いことを答えていました。

「日本人は非常に時間にルーズだ」

と、そう答えたのです。

 

日本人の私たちからすると

「日本人が時間にルーズだって?」

と、驚いてしまう話です。

しかし、彼に言わせると、

「出勤時間には厳しいくせに、退社時間になってもいつまでもダラダラと仕事をしている。日本人が時間にルーズと思われても仕方ないだろう」

ということなんだそうです。

 

うん、確かにその通りだ。

間違いありません。

ただ、終業時間にすぐにタイムカードを押そうものなら、周囲からの視線が背中に突き刺さること必至です。本来ならば、ルールを守っていることを非難される筋合いはないのですが、なぜかそれができない環境であることは、サラリーマンを経験した人なら同意せざるを得ないことなのではないでしょうか?

『平均』という考え方

平均的な日本人たち

基本的に日本人は、基準や平均に合わせようとする傾向がありますが、海外の人から言わせると『個性がない』と映ることがあるそうです。

日本人は時間にルーズだと言う話がありましたが、おかしな風潮にNOと声を上げる人がいないところを考えても、一歩退いたところから見る日本人が無個性であるという指摘には頷くところはあるでしょう。

 

もちろん、それが一概に悪いとは言い切れません。

日本のあらゆる場面・各分野においての平均水準の高さは、海外からも『ジャパンクオリティ』として高い評価を得ているからです。

たとえば、電車などの公共交通機関の時間の正確さ、仕事で納期や締め切りが守られていることなど、いわゆる『ズレ』を修正・無くすことへの意識やその水準の高さは、世界でトップクラスに誇るべき個性と言えるのではないでしょうか?

 

そして、その背景にあるのが、私たち日本人に根付いている『マナー』や『暗黙の了解』といった共通意識です。

本来、マナーというものは、個性が及ぼす悪影響をセーブさせるためにあります。人間関係を円滑にし、社会を成熟させるために作られたものなのです。

しかし、社会が成熟していくにつれ、これまで労働者の意識を高い基準で統一してきたマナーよりも、個性や人間らしさを求める人が増えてきました。グローバル化や効率化が進み、自由なビジネスが広まったことで、労働者を画一的に縛る考え方が古くなってきたのです。

 

昔はそれで意味があったことも、今の若い世代の人たちにとっては無意味に映っているのでしょう。平均出社時間についても、先ほどの外資系企業役員の人のようにドライな捉え方をする人が増えてきたということは、ある意味において世の中が前進したことの証と言えるのではないでしょうか?

 

しかし実際には、始業直前の出社に対して寛容ではない現実が待っています。

それだと社会人としての意識が足りないとして、上司から叱られる場合があります。 

 

仮に無視をして、

「始業時間前に来ているんだからいいだろう」

なんて開き直るとすればどうなるか?

 

おそらく周囲の人間から、

「あいつは変わったヤツだ」

というレッテルを貼られることになります。

 

これはいわゆる『同調圧力』というものです。

要するに、出る杭は許さないといった考え方です。

この同調圧力というのが厄介で、日本社会ではあらゆる場面で『平均』という枠の中に押し込まれそうになります。

 

実際、始業直前に出社してもルールを破ったわけではありません。しかし、それを許さない風潮がたしかにあるのです。

なぜ、そんなことになるのでしょうか?

その理由について、もう少し詳しくみていきましょう。

受け入れざるを得ないアンフェア

アンフェア

日本では『国民の三大義務』のひとつに、勤労の義務というものがあります。

そのために基本的に成人以上の国民は、すべからく働きに出ています。そして、その多くはサラリーマンとして勤めに出ている人たちです。そして彼らは立場上、会社からアンフェアな取引きに応じなければいけない状況に追いやられることがあります。

 

一度勤めに出ると、定年までその会社に従事するというのが日本の常識となっています。基本的な考えとして、辞めること(退職)は前提条件ではありません。

私も長い間サラリーマンをしていましたが、仮に退職という選択が自分の中に浮かんできても、そこから離れるリスクの高さを痛感するものです。

 

もちろん、サラリーマンとして安定した生活ができ、定年までその場所で働くことが保証されているのであれば、サラリーマンという生き方は決して悪くありません。むしろ、『アリ』な選択です。 

70年代、80年代にサラリーマンが企業戦士といわれた時代、誰もが安定と豊かさを求めて企業や会社に属していました。

しかし、それがバブル崩壊や派遣制度の普及により、労働者が安く買い叩かれるようになり、いまや多くの人たちが不安を感じ合う世の中となりました。企業や会社に属している正社員たちも、不況による影響をひしひしと感じていることでしょう。

 

サラリーマンたちは不安を抱えながらも、会社に属している限り、会社の意向に従うしかありません。たとえ理不尽(アンフェア)だと思っていたとしても、「30分前に出社しろ」という暗黙のルールがあれば、それに従うしかないのです。

 

私自身、外資系企業役員の言った『日本人は出社時間には厳しいくせに退社時間はルーズだ』という意見は、非常に公平で正しいと指摘だと思っています。

しかし、企業や会社がこのようなアンフェアなルールを課していたとしても、サラリーマンたちに選択権はありません。さらに同調圧力という2段構えで、勝手が許されない世の中なのです。

たとえ理不尽だと思ったとしても、受け入れざるを得ない状況に組み込まれているのです。

始業30分前出社をおかしいと言おう

始業30分前の出社イメージ

サラリーマン時代、私もこのような納得のいかない状況に不満を募らせ、ストレスに苛まれていました。

たとえば、有給休暇を取らせてもらえないといったことは日常茶飯事です。

私は転職も何度か経験していますが、中途採用で雇ってくれる会社のほとんどが、有給休暇の取得についてはあってないようなものでした。

もちろん、始業30分前に出社しなければいけないという暗黙のルールも同様です。

 

今の若い社会人の中には、このようなシステムに納得がいかないと嘆く人が大勢いるそうです。私としても、その感覚は大切にして欲しいと思います。

なぜなら、今の社会に蔓延している不当な縛りというのは、元々、将来的な安定が約束されているからこそ成り立っていたものだからです。

もちろん会社の方針として、自社のルールを好きに決めること自体は問題ありません。ただ、あなたが労働者という立場であるならば、労働対価として得られるものが昔のようにイーブンではないことは知っておいたほうがいいでしょう。

 

会社に属している限り、自分で生活を成り立たせる力を他者に委ねる流れは必然です。しかし、これからの時代において、自分の生活を自分で成り立たせる術を持たないと、ますますジリ貧状態に追いやられるのではないでしょうか。

そして、それは確実にあなたから『思考』『行動力』を奪い、あらゆる未来の可能性を奪っていきます。

 

あなた自身が、いつまでも平均的であったり、標準的であったりする必要はありません。

いまは無意味な慣習を盲目的に追従する時代ではないのです。

 

常に思考しアイデアを生み出すこと。

そして、行動することを制限されてはいけないのです。

先行き不透明と言われる現代において、一昔前のように会社や国が守ってくれるという保証はありません。年金問題や格差社会に歯止めをかけられない我が国の現状を見れば、このまま自分の人生の舵を他人に任せてはいけないことは火を見るよりも明らかです。

 

ただ、生き残る術はあります。

幸いにも、いまはインターネットがあれば履歴書など書かなくてもお金を稼ぐことが出来る時代です。無意味な慣習に従って、神経をすり減らす必要などまったくありません。

今のような変化の時代は、私たちにとってもまたとないチャンスなのです。

自分の行動で未来を変えることが可能だということを知っておけば、このまま会社にいるにしても飛び出すにしても、冷静に世の中の間違いを見抜くことができます。

それは今後の人生にとっても、大いに役立つことでしょう。

 

始業30分前に出社しておくことは、自社の中では通用しても、一歩外に出ればまったく無意味なルールです。

このような感覚を麻痺させてはいけません。

正気を保って自分の生活をコントロールしてください。そして、あなたらしい幸せな人生を送ることを優先しましょう。

そのための準備はすでに全て揃っている時代なのですから…。